2013年5月26日日曜日

「勉強ばっかするさかいや」


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 9 月 22 日(土)晴れ

 ヨウコ先生、出て来られる。難問を突きつけられた Jap は休む。Vicky は Frog 先生に、「顔が青いのではないか」といわれる。「勉強ばっかするさかいや」との声が、熱湯から昇る湯気のように立ち昇った。白いセーターを着た Lotus がぼくに、「気をつけろよ」という。
 校内美化週間なので、毎日の掃除が採点され、表にして廊下に張り出される。昨日で二日になるが、Iron が美化委員で一学期の同じ週間に第一位となり表彰された十四ホームが、第一日目に 10 点を取り、幸先のよいスタートをしている。4 点以下は赤で記され、0 点もある。
 C 時、編集長改選が行なわれる。Gamma 編集長は、第十一号発行と同時に新編集長に席をゆずる予定である。二年生の部員全員が候補者ということになり、投票の結果、ST 君が当選したが、彼は十一月からの C 活動第二期には他のクラブへ移るつもりだからといって、返上する。再選挙で FJ 君が当選。
 一時半に『菫台時報』の校正刷りが来るというので、一度帰ってから、また登校する。『紫錦』を出していた新聞部にいたときと同じで、一時半が三時になっても印刷屋は来ないので、われわれはソフトボールをしていた。Tacker が自転車で広文堂へ取りに行き、ようやく貰って来た。見ると、文字ばかりのグサグサした感じの紙面になっている。一、二面とも三枚ずつ持って来たので、手分けして調べ、最後に一枚にまとめ上げる。誤字は皆枠の外へ線を引いて訂正を示したので、沢山の赤線が顕微鏡で見た繊維のように長く交錯して走った。Gamma が口を縦に大きく開いて、「なーんやこれ」という調子がうつって、何度もこの言葉を発した。
 帰りの足で Jack と県立図書館へ行き、暗くなるまでいたが、何も読まなかった。小さめのしまった顔をした泉丘高校の生徒が Jack に話しかけ、菫台から NBT 君が転校して行ったこと、彼は「文化祭の出し物」の材料にするための何かを調べに来たのだということなどを、きれいな言葉遣いで話した。Jack に誰かと聞いたが、彼も知らなかった。

0 件のコメント:

コメントを投稿