2013年5月14日火曜日

始業前と放課後のこと


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 9 月 12 日(水)晴れ[つづき]

 一限が始まる前に、Massy や Lotus や Jack とレンガのかけらの落ちているプールのそばにいた。Jack はそこを通る誰にでも「お早う」といい、Massy は、せっかくの爽快な朝を楽しむために「勉強の話はやめよう」といい、Lotus は Jack が危なっかしい語彙をためらいもしないで発していることに気をとめて、われわれがいかに変な文章を口から吐いているかを面白そうにいい、また、彼自身は緑色の朝によく似合った感動の文章を、作るともなく組み立てて、草の上の露や、間にひそむバッタの上の空気中へ流した。ぼくは何をしていただろう。

 Jack と Tacker は編集室の水道で洗った足を汚さないように、五米ばかり廊下を下駄履きで歩いて、後ろの校庭へ出ようとした。あとから行った Tacker が、「もし Jack が見つかったら、その間に、わしァぬぐわい」といい終わったばかりのときに、出口へ達した Jack が、左の廊下からこちらへ来られた Frog 先生に大声で、「さようなら」といった。そこで彼らの罪は発覚し、彼らは校庭に裸足で立って、お互いの頭をぶつけ合わせた(注 1)。足を洗い直した Tacker がゴトンと一歩編集室から出ると、少し向こうに立ち止まってテニスコートを眺めておられた Frog 先生に、また見つかり、帽子の上から頭をなでて、「しまった!」の様子をした。続いて、前に振った Jack の手に持たれていた鞄が見えて、足が廊下へゴト…となるかと思って、ド肝を抜かれた気持で見つめていたら、幸いペタッという音がした。Tacker の失敗を繰り返さなかった Jack は、もう一歩ペタッと意地になって足で廊下を叩き、先生の方を見返した。
引用時の注
  1. 「お互いの頭をぶつけ合わせた」とあるが、先生によってぶつけ合わされたのならば、ちょっとした体罰である。しかし、当時は、体罰が悪いという考えはまだ広まっていなかった。

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