2013年5月18日土曜日

ホームの雰囲気が湿っぽく


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 9 月 15 日(土)曇りのち雨

 新しい計画と新しい結論を組み立てながら、午前二時から五時半の間、眠れないでいた。
 毎朝、Jack と Lotus が一緒に登校を誘ってくれる。きょうもそうだったが、三人で歩いているときには、Lotus がぼくに、一限は何か、国語は「若紫」が済んだかと聞いただけで、Lotus と Jack は一言も言葉を交わさなかった。前田家の墓地近くの道からやって来た Cupid に挨拶をいってからの Lotus は、タイガースが昨日、三投手を繰り出していかに危うく勝ったかや、ジャイアンツの松田投手が十五連勝してどうだということを彼と話し合い、Jack とぼくは彼らの先に立って、その会話にも耳を貸さないで校門を通った。
 編集室へ行くと、Tacker がもう来ていた。Jack は彼と、「行く?」、「Lotus も?」、「あまり行きたくない」と、ぼくに通じない会話をした。不審そうにしていたぼくの左腕をつついて、Jack はポケットから出した手帳に何かをしたためた。「けさ、Lotus と喧嘩した。」——どんなことが、彼らの間に起こったのだろう。

 SH 時、Crow 先生はホームの雰囲気をますます湿っぽいものに落として行かれた。ホーム全体の全科目の平均点が三十何点で、五教科の平均が六十点以上の者が三人しかいないことが、Crow 先生とわれわれ一同をそうさせたのである。[つづく]

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