2013年2月4日月曜日

満点や、おまけやゾ


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 7 月 7 日(土)晴れ

 Jack が毎朝誘ってくれる。仕方なく早く学校へ行くと、Tacker(SNT 君)はもう来ている。三人で校内膝栗毛をしたが、得ることはなかった。「青いリボン」(「青色のリボン」が原題だったが、ぼくが『紫錦』に掲載するときに、間違ってこの題にしたのだと誰かがいっていた)の作者
(注 1)と、大連でぼくと同じ小学校にいた(けれども、時を同じくしてはいない)Massy とに出くわして、編集室前で始業少し前まで話し合った。女子師範付中を経て来た Massy は勤勉で口達者だ。雪の急斜面のような鼻を持っていて、額が広く、後頭部も大きい。科学や哲学の本ばかり読むような顔をしていながら、実直な少年ならばいいそうもないことを、完全に自分のものとしている多くの熟語を用いていってのける。Lotus にいわせれば、「早熟」だ(注 2)。そうしているところへ、Kies(TKR 君をこう呼ぼう)も来て、昨日われわれが Jack の家でいかに笑ったかの話に花を咲かせる。

 ヨウコ先生のところへ解析の点を聞きに行くと、「満点取れなんだがいねェ。」これは Jack に、である。ぼくには、「満点や、おまけやゾ」。ぼくが、「√(12) やろ」と、気づいていたことをいうと、先生は、「√8 も
(注 3)」といわれた。ぼくは、「え? なんしとったがやろナ?!」と、自分のウカツさに恥じ入る。Jack が昨日の夕方、紫中の竹本先生(Turkey)に出会って、その先輩だと聞かされた先生は、一家の名前がみな海に関係している漫画の主人公のような口をして笑われた。この休憩時間の後が解析である。わがレッスン・クラスの平均点は 67 で、他のレッスンと比べて最もよいでしょう、とのことだった。試験解答の説明があった間、Vicky は唇を突き出して、いささか顔色がよくないようだった。しかし、次の生物の時間には、形勢逆転して、ぼくが二限の Vicky のような顔をしなければならなかった。

 クラブ活動の時間、高文連新聞部書記長を本校新聞部から出すことになり、その選出をしたのだが、なかなかゴタついた。Gamma(IN 君)はいちいち、「異議ございませんか」といいながら、候補者を推せんするところまで漕ぎ着けたが、二年生一人を交えた数名の候補者が上がったとき、Deck(KD 君)が切り口上で三年生の立場を述べ、合わせて辞退しようとして、問題となった。「一身上の都合」や「大学受験」が理由になるだろうかということだ。三年生候補者の辞退を承認するかどうかの採決が行なわれ、ぼくも味方した不承認が 11 対 7 で勝った。しかし、三年生対二年生の一部と伊藤先生(他は傍観的)の論争は続いた。そこへ、卒業生で、もと新聞クラブの MTY 君とかいう人が来たので、Gamma は彼に助言を求めた。MTY 君は「三年生の立場に同情を乞う」という意見だった。皆が面倒に思い始めたところで、白紙に返して推せんをやり直してはと、Gamma がいった。異議はなく、そういう運びとなり、決選投票にもつれ込んだりした結果、ぼくも一票を投じた Eleck(YS 君、三年生)が当選した。
引用時の注
  1. Lotus こと KZ 君。
  2. Massy こと SNN 君は、中国から引き揚げて来た関係で、われわれより一歳年長だったと、のちに知った。
  3. √(12) は 2√3、√8 は 2√2 と書き直しておくべきだったのだ。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

twitterからです( ´∀`)
どっかほっこりする話ですね♫
そして...
方言たっぷりで、あったかみがあります(☆∀☆)

Ted さんのコメント...

若い女性の先生だったので、お互いに方言で話し合っていたのですね。年配の男性の先生との間では、こういう親しげな話し方は出来ませんでした。