2013年2月14日木曜日

「あらゆることをトーナメント式に…」


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 7 月 11 日(水)雨のち曇り(つづき)

 放課後 Jack と、六部通り出来た体育館から少し離れた後ろにある小室「保健指導部室」の朝倉先生のところへ、生物の試験の結果を聞きに行き、長い説教をされてしまった。尋ねようとしたことに答えて貰えたのではなくて、知らされたのは、ここでも通知簿につける素点だった。ぼくはそれほど芳しくなかった。説教の内容は、「あらゆることをトーナメント式にまとめよ」だった。先生は、八チームによる二回戦までのトーナメント戦の図に相当する線を描かれたが、二回戦の第一試合の二番目のチームが第二試合の一番目のチームを兼ねる図になった。それをあわてて描き直して、またぞろ(紫中の校長先生がよく使われた言葉だ)長い話を始められたとき、部屋の窓から Vicky の下校する姿が見えた。説教を受けているわれわれは、何だか恥ずかしい思いをした。

 Jack と一緒に下校し、家に鞄を置くとすぐに、原稿用紙を買うため、また出かけた。すると、宏を主人公とする原稿用紙百枚ぐらいの小説を昨年の夏休みに書いた友
(注 1)に追いつかれた。(つづく)
引用時の注
  1. Lotus こと KZ 君。彼の小説の主人公の名前が「宏」だったことは、その後すっかり忘れていたが、私が翌年書いた小説「夏空に輝く星」のヒロインの名は、偶然にも、同じ字を使った「宏子」だった。KZ 君は高校 2 年のときに東京へ転校したが、わが校の生徒会誌に載った「夏空に輝く星」を読んでいて、大学生になってから金沢へ来た折に、「やられた! と思った」とほめてくれた。私の文学趣味は彼の影響に負うところが大きい。

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