2013年2月23日土曜日

祖母と墓参に


高校(1 年生)時代の交換日記から

Sam: 1951 年 7 月 15 日(日)雨

 こんなことは滅多にないそうである。お盆に雨が降るとはケシカラン。でも、しなければならないことは、しなければならない。九時頃、小止みになったので、さっそく支度をして出かける。墓所は野田山にある。祖母はバスには絶対に弱いから、電車よりほかに頼るべき交通機関はない。大和の前で電車に乗ればよいものを、うっかりして、東宝の前で乗ることになった。さらに、寺町終点で電車を降りるとき、うっかりして、新しいズボンを汚してしまった。
 少しばかり空が明るくなってきていた。墓番(というのかい)のところで、一休みしてから、山へ登る。雨の後の山道はぐちゃぐちゃで、汚いこと甚だしい。下駄をはいて行ったので、一歩一歩注意して歩く必要があった。
 野田中学の前辺りまで戻って来たときから、雨がだんだんひどくなり始め、びしょぬれ一歩手前で電車に乗り、家へ帰った。

 午後、金ちゃんのところへ遊びに行く。相変わらず、彼は将棋では圧倒的に弱いし、ぼくは碁では圧倒的に弱い。だからバイショが合わなくて、面白くない。たった四ヵ月ぐらいにしかならないのだが、ずいぶん変るものだね。いままでになかった新しいものが、彼に備わっていた。あとで、下宿しているあんちゃんと将棋をさした。クロスゲームで愉快だった。戦績二勝一敗。最初は三筋を中心に攻撃を行ない…、といったところで、よく分るまい。いまでも、将棋をしたいとは思わないかい?

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