2013年2月22日金曜日

小学校で映画を見る


高校(1 年生)時代の交換日記から

Sam: 1951 年 7 月 14 日(土)曇りのち雨(つづき)

 新しい定期券入れが欲しいと思ったので、大和へ行く。エレベーターと階段の間のところで、安原村のあんちゃんたちが西瓜と南瓜の安売りをしていた。大和の定期券入れは気にくわなかった(品物はよいと思ったが、八円のおつりを貰う必要があったから)ので、宇都宮へ行ってみた。最安価なのを求める。

 階下の YSA 君が長町小学校で行なわれる映画を見に行こうといってきたので、雨が降っていたが、OK した。最初は、今春行なわれた『アジアオリンピック大会』の記録映画。これは一回見たものだったので、さほど興味がわかなかった。
 続いて、紫中を卒業するとき、サイン帳に何人かが書いてくれた四文字と同じ題の映画がある
*。これも一度見た。でも、がまんしてもう一度見ることにする。きょうは「父の巻」だけしかないそうだ。そういえば、この前のときも、「父の巻」しか見なかった。食事、登校、月謝、盗難…と続くストーリーは一度見たものであるだけに、次々と思い出された。男の子(よし坊というのかい)が『母いずこ』の本を読んで叱られる当りから、ぐんぐんと画面に引きつけられるようであって、かえってそれとは別に、ぼく自身の脳裏に自身の過去をぐんぐんたぐり始めた。掘り始めた。どうしようもなかった。第一巻が終わって明るくなった。ふと後ろを見ると、Funny とKeti が来ていることに気づいた。
 やがて第二巻が始まった。もう時計は十時近くを示しているだろう。YSA 君があきたのと眠くなったのとで、帰ろうといい出した。ぼくもたまらなくなってきたので同意した。
 外へ出ると、ちょうどトンチ教室の鐘が鳴って終わったところだった。宿題は折り込み都々逸で、「は、や、お、き」である。
 話は戻るが、「うそをつくということが本当のことをいうよりも真実であることがある」ということを、この映画は教えているそうだ。
(注 1)
Ted と Sam 交互の欄外注記
 * 『さよなら』という映画があったかな? 『真実一路』。立派な言葉を何人もサインしてくれたね。
引用時の注
  1. Sam が見た『真実一路』は、田坂具隆監督による 1937 年版。第二巻は「母の巻」。私は 2012 年になって、川島雄三監督による 1954 年版をテレビで見たが、そのときは、Sam のこの日記をすっかり忘れていた。1954 年版への私の感想はこちら

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