2013年2月23日土曜日

タイプライティングの講習


高校(1 年生)時代の交換日記から

Sam: 1951 年 7 月 16 日(月)曇り

 ぼつぼつ忙しくなるぞ。夏休みの宿題は、どんなことがあっても七月中に完成しなければならない。
 午前中は、少しだけペン習字をした以外、さして変ったこともない。
 午後とても、Ted とJack のところへ空脚を運んだあと、Neg と二人で北国劇場で君たちに会ってからは、別に取り立てて書くこともない。
 『月世界征服』の感想? すばらしかった。スリルがあった。科学性があった。それから、面白かった。——漠然としているね。——
 Ted と別れた後のぼくが講習時間に間に合わなかったのではないかと心配しているかもしれないね。あれから Neg と二人で(途中で一回、空気の補給を行なって)大特急で駆けつけた。Neg とは校門の前で別れた。ちょっとだけ遅かった。それでも間に合った。講習といっても、いつもと変わっていない。でも、自分の教科書を打つなどの勝手な真似は出来ない。ぼくたち(といっても、大部分は女生徒で、男生徒はマネージャーを入れて三人、総計十数人)は、中指、すなわち第二指(人差し指が第一指)の練習から入る。
 in in in in in ..........
 in in in in in ..........
 me me me me me ..........
 me me me me me ..........
つらいこと、つらいこと。でも、こうしていうるちに自然に位置と指の動かし方が分る。家へ帰ったら、ちょうど ♪タァラ、ララーラ、ララァーラタァ、ラーァラララァーララララー♪ という音楽で「向こう三軒両隣り」が始まるところだった。

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