2013年4月13日土曜日

昼・宵とも歩き回る


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 8 月 19 日(日)晴れ一時雨

 昨日のことから記す。午前中、 Jack が出向いて来る。何をしたのだったか。戦後最高気温の日のことだから、能率は上がらなかった。午後も Jack。用事全くなし。外出。Jack は油車が気になる。足駄の歯は落ちる。大和二階の模型店で Massy に出会う。よく歩いた。大きな古い家に Jun。彼は身体を暑さに持て余すことはなさそうだ。シャツとベルトの間まで汗をためたあとのオアシス。

 Jack と別れるときも、夕食のときも、その少しあとまでも、断然見に行かないつもりだった花火を見に行きたくなった。Sound と? つまらない。Sam がよい。電車で——。いない。長町小の運動場にいた木倉町の四番打者(注 1)が、松本運動具店の向かい、宝船寺と探してくれる。いるはずもない。
 Tom と危ないところでの出会い。公園の方へ。(暑いので、どうしても切れ切れの調子でしか書けない。)広坂。百間堀に面した公園の下。人が密集していて、頭伝いに歩けそう。手を引っ張り合い、駆け抜ける。インク色の空。尾を振りながら赤い球が上がって来る。開く。音! 赤い柳の枝。下へ伸びる。手のよう。今度は一度に、緑、黄、赤など、全ての華やかな色の句点が、四方八方へ。あとに残るものは、深紅のしわ(注 2)。それもすぐにない。橙色。海綿の破裂。赤と緑の星があとにしばらく残るもの。きゅっと引き絞るような力を前に見せておいてから、雷鳴。
 Sam か Jack に会わないかと思ったが、顔の区別がつかない。歩き続けて、木々の葉の間から見なければならないことも。腰を下ろす場所を求めて、県庁の門内へ。気に入らない。Tom、歌を口ずさむ。香林坊の方へ。片町へ。ショウウインドウに幕の下りる大和デパート。大橋の欄干。広小路で電車に乗る。上石引町通り。道路に椅子が並び人々の塊。歓声がして、爆発の音。そのときには、すでに何もない。足の裏が固くこわばったようだ。水も湯も一緒。(つづく)
引用時の注
  1. われわれの友人 Funny のこと。
  2. 翌夏、国語の宿題で書いた私の創作「夏空に輝く星」の中に、この辺りの花火見物の描写を取り入れた。それを読んだ母から「深紅のしわ」について、「『しわ』 は、美しいものの表現としてはふさわしくない」といわれ、「深紅の絞り模様」に変えた。母が指摘したのは、ここだけだったと思う。

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