2013年4月6日土曜日

土をもたげたばかりの芽


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 8 月 14 日(火)晴れ

 種をまいたら刈り取らなければならない。作物は「実りました」と告げに来てはくれない。
 他方、われわれ自身は大木に成長しようとしている。しかし、いまは土をもたげたばかりの芽に過ぎない。いま、何をなさなければならないか。

 立派な労働をもしている Sam は、沢山の蘊蓄を持っているから、何をしても強い。奇想天外を楽しむ遊びは面白かったね。一枚を十二枚に切った紙には、いろいろな色が塗られた。いや、そう感じたのだ。そして、それらに感覚的に素早く数字を与えた採点も気に入った。まずいのは言葉の掃き溜め場のようだ。Jack はそういうのをよく書いたね。

 Sam は海のおおらかな空気と、その中で健康と英気を得ながら遊んだ Sam 自身のことを詳しく美しく書いてくれたね。ありがとう。海の詩をここに書き写しておく。
   The Sea
The Sea! the Sea! the open Sea!
The blue, the fresh, the over free!
Without a mark, without a bound,
It runneth, the earth's wide regions 'round;
It plays with the cloud; it mocks the skies;
Or like a cradled creature lies.
   —Procter
(注 1)

   
海よ! 海よ! ひろい海よ!
青きもの、新鮮なもの、とわに自由なものよ!
目じるしもなく、際涯もなく、
それは地球の広い地方をかけまわる
それは雲と遊び、空を愚弄する
或は揺籃の子のように寝ている
   ——プロクター

引用時の注
  1. Bryan Waller Procter (1787–1874) はイギリスの詩人。ここに引用したのは、詩の最初の一節である。全体はこちらで読める。

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