2013年8月6日火曜日

英語と漢字の尻取り


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 11 月 16 日(金)雨

 五時二十分、やっと電気がつく。石引町小学校へレントゲン検診の結果を聞きに行って帰ってから、相当待った。

 恐ろしいことだった。何の兆候か、あるいは、何の罰か、または自然の成り行きであろうかと、輾転反側しながら考えた。不気味な…。恐ろしい。ここに記すようなことではない。

 鼻の奥が、ずるずるとした板をこするような感じだ。…長い風邪。

 SH 時、うっかりすると、ぼくは破壊的に出そうだ。

 Hotten は、編集室使用の「特権」を得ることを目的に、第二期の所属クラブを新聞部に決めた。放課後、解析の試験の準備をするというので、彼の臨時教師は居残ってやらなければならなかった。Jack や Tacker も、いつもの癖で、すぐには帰らなかった。そこへ議会の開くのを待っている Massy が来て、われわれは編集室の黒板で二通りの尻取りを始めてしまった。一つは Hotten が始めたもので、漢字を一字加えて前の一字と二つ合わせて一語にするものだ。Hotten が「記」と書いたので、「事」と続けた。すると「件」と来て、続ける漢字を思いつけなくなり、早くもぼくは破れた。それで、Massy と品詞を制限しない英語の尻取りをすることにした。
 Are、eye と始まり、そこから e...e の形の単語をを互いに書き合ったが、とうとう Massy が折れて、いろいろな文字が末尾に来るようになり、多くの単語を書いた。そして、三つ目の x で手ごわかった彼をつまらせた。
 そこで Massy は、synonym の挙げ合いをしようといった。ジャンケンで買ったぼくが、まず、習ったばかりの scincere を書く。True を予想したのだが、Massy は答えられなくて、思いがけない 1 点を得た。一回の裏、Massy は allow と書いた。"Grammar and Composition" の予習で知っていた単語だったが、つい「難しい!」といったら、彼は「"許す" だ」と訳をいってくれた。Sincere のとき、ぼくは「訳をいえば、答がすぐ出せる」といいながら、訳語をいわなかったことを思えば、彼は親切だ。ともかく、 permit と書いて、彼の得点を防いだ。次にぼくが autumn と書くと、彼は synonym を思い出せず、英文でその意味を書いてもよいことにしよう、といった。"It is the season that comes after summer." とでも書くのかと思ったら、「通例、われわれは第三番目の季節と呼ぶ」という文を作り、「これでは駄目だ」と、自らけなして、降参して来た。これで 2 対 0。二回裏、horizon の synonym が分らなくて(あとで、"level" を思いついた)"It is a line that divides the sky and the ground." という説明文を書いた。
 Tacker とも漢字の尻取りをしたが、「使徒」のあとへ彼が「つれづれ」といいながら、「然」と書いた。「然諾」というのを一つぐらい知っておけばよかったが、思い浮かぶのはどれもみな「然」が下につく言葉ばかりで、降参するより他なかった。

 「やっこだこ」が消印の押されるところに印刷された紙
(注 1)を母が勤務先で二十枚買って来た。ぼくが使うだろう分を取れば、一割程度しか残らない。Sam はタイプで打てるだろうから、いささか、うらやましい。
引用時の注
  1. 年賀はがきのこと。

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