2013年8月30日金曜日

障子張りなどの日曜日


高校(1 年生)時代の交換日記から

Sam: 1951 年 12 月 2 日(日)曇り

 朝のうちに障子張りを済ませなければならなかった。1ヵ月に一回ぐらいの割合で北国新聞についてくる細長い紙の一部分で買ってきた紙を張る。ベタベタッ、ベタベタベタ。シューッ! ピンピン。スゥスゥスゥ。シュッ。いっちょあがり! 熟練しだしたのと済むのがちょうど一緒ぐらいだ。

 もう正午に近い時刻になってから、理髪店へ。晴夫君が働いている。ぼくは彼にして貰うことになる。電気バリカンのガーガーいう音と、のど自慢とをごっちゃにして耳へ入れる。ソロリソロリソロリ。馬鹿ていねいにしてくれる。どちらかといえば、恐る恐るのたぐいだ。同年齢でありながら(No, no, 彼は満十五歳十一ヵ月だ)、彼はこんな技術を得ている。いや、いま得ようとしているのだ。

 ぼくの家から右手へ四軒目の家でドリルを借り、長町小学校の少し手前の向かい側の店で、ボルトとナットを買ってきて、やっと作り上げた。
(注 1)

 風呂へ。浴槽内で狸君に合う。進学についてだいぶん迷っているらしい。必要と思われるものの説明を一応しておいた。もう四ヵ月もすれば、やがて新しい生徒がぼくたちの学校へ入ってくるのだ。
(注 2)
引用時の注
  1. 何を作り上げたのか、ここだけでは不明だが、何週間か前に関連の記述があったようだ。
  2. 短い四つのパラグラフだけからなる日記だが、高校一年生の初冬の日曜日の雰囲気がよく出ていると思う。

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