2013年4月19日金曜日

大きな宿題は終えたが…


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 8 月 23 日(木)晴れ一時雨(つづき)

 Lotus も将棋は知らない*。タイガース、フライヤーズ、そしてブレーブスのファンたちは、回り将棋をした。長く続くから、根気負けしてしまった。それを終えて Lotus は、何のためにインクを持って来たのか分らないうちに、帰るといい出した。ぼくは残ろうかと思ったが、帰った方がよさそうだと思い直した。八坂の下で Lotus が「どちらから行く?」という。近い方がよいに決まっている。木曽坂の下の竹やぶが見えるところまで無言。口を切ろうかと思わないこともなかったが、駄目。Lotus が読書について質問。彼の読んでいるものは『チボー家の人々』十巻中の八巻、ジャック青年、internationalism。文芸クラブ(彼の所属はこのクラブだった! 彼だって、いま頃になってぼくのクラブを尋ねたりした)は読書クラブに過ぎないということなど、文学のことばかり。別れるとき「あれは、Okabe じゃないかな」と、とんでもないことをいった。

 夏休み中の負担は、どうにかこうにか、綴じ上げてしまった(初めの意気に比べて、はなはだ心細い結果だ)。それなのに、なおセミの声もうるさく感じられ、曇っている空も重々しく見える。
 夕食後、母に、「話、話、話して。それから、それから」と、幼児のようにねだる。
 Popeye が数人の一番右になって、野球道具をたずさえて帰って行く。このところ毎日見る。健康で頼もしい。
Sam による欄外注記
 * Lotus もそうだとは残念!

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