2013年4月12日金曜日

野菊の花が色白く…


高校(1 年生)時代の交換日記から

Sam: 1951 年 8 月 17 日(金)晴れ

 Ted がこの次来たら頼もうと思うことが一つ出来た。Ted は前々から頼まれることを欲していたから、承知してくれるだろう。それは中央図書館の借出書(携なんとかという券)を貸して欲しい。違反になるかい。大丈夫だろう。

 自転車を走らせて久しぶりに郊外へ出る。イネの穂が花をつけていた。カンカンと照りつける太陽の下であるが、どこか秋らしい。野菊の花が色白く、さわやかな風にふかれていた。そこで、二、三種の夏草を取った。これまでのぼくの概念で夏草であると思ったものを取った。
(注 1)

 またまた見事に気に食わないものを書き上げた。ホームルーム・アドバイザー(HRA)に夏便りを書こうと思ったのだが、まるで友だちに対してのような書きぶりになったし、字を大きくしたため、もう三行ばかり書きたいことが書けなくなってしまった。ぼくの性質(いくらか Ted の影響を受けた)をそのまま表したようなものであるが、HRA に対しては少々失礼にあたるだろうから、投函するのに気がとがめる。破って書き直す、いや、もう書かないことにしよう!
引用時の注
  1. Sam は夏休みの初め頃、夏草の採集という生物の宿題が出たことを書いていた。その宿題のための夏草取りだろう。この注を書かないほうが、この日記は詩的に響くかもしれないが…。

0 件のコメント:

コメントを投稿