2013年3月5日火曜日

誰が誰となぜ何を


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 7 月 24 日(火)晴れ

 加賀谷、上井 — 谷本のバッテリーで戦ったチーム
(注 1)は金沢市工に 14–3 で敗れ、阪急は 6 位に落ち、中谷は 5 位に下がった。すべてが面白くない。
 押しかぶさるような重責を経験しながら、午前を過ごした。昼食という、午前を午後と同じ軽快な感じにさせない境界線を越えてから、Jack の家へ海の土産話を聞きに行った。シャツをまとわないで、赤くなった背と腕と肩と胸を痛そうにしていた彼は、目を細めて、像を少しでもはっきりさせようと努めながら、「入って来いや」と、ぼくを迎えた。
 波、砂浜、ソフトボール、昼寝、舟、写真、西瓜、汽車、一時間、某大学生、伊藤先生、口、飴、Tacker、市長令嬢、寝顔、くたくた、へとへと、夕飯、ぐっすり、などの単語を挿入しながら、「とにかくおもろかっ」た一日を物語ってくれる。そうしているところへ、昨日別れるときにきょうの行動を契約した Tom が、Jack の得意科目のプリントを持ってやって来た。
 勉強と会話。そのあとで、筋が通らなかったり、偶然通ったりすることによる笑いを楽しむゲームをした。Who, (with) whom, when, where, why, how, what—こう沢山では、複雑過ぎて面白くない。そこで、一、二、五、七番の 4W で行なう。「私と私の右横に坐っている人を除いたこの部屋にいる人(これを読み上げることになったのは Jack で、この主語は Tom のことになった)が、Jack と、Jack という大泥棒を逮捕しようとして、追い回した」とか、「大下選手が、Jack のお母さんと、悲しかったので、婚約した」とか、誰かと誰かが「心中しようとして、自殺した」とか(これらの「名作」の最後の言葉はみな、ぼくのものだ)、夢あり、不可能あり、犯罪ありで、大変な事態だ。(つづく)
引用時の注
  1. わが金沢菫台高校の野球部。この年は夏の大会の県予選で惨敗したが、翌年秋には、北信越大会で準優勝するまでに成長した。上井君(「UW 君」として、これまでにも日記に登場している)は小学校時代、県内随一といってもよい名投手だったが、肩をこわしたのか、中学時代から一塁手として活躍していた。それで、彼がこの試合でリリーフ投手を務めたことを、私はすっかり忘れていた。

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