2013年9月7日土曜日

何と無造作に生命が…


高校(1 年生)時代の交換日記から

Ted: 1951 年 12 月 7 日(金)晴れ

 十二指腸虫が皮ふから入るとは思わなかった。ハワイ二世なんとかのチームが来日したのは今年だったかな? ハンドボールだったかな? しまった! バスケットボール・チームだったよ。保健体育ではこれだけを間違えた(これだけでも、相当な痛手になりそうだ)。
 生物は実習の先生が二題出した中の初めの、「つぎ木」についての問題の五つか六つの小問中、一つまたは二つが先生を満足させないような解答になった。
 明日は解析…。何だか精神的なものがからみついて来るぞ。
 午後二時。何をして明日を迎えたらよいのだ? 他のことで、あまり頭を使いたくないし…。

 祖父がロシア語の単語で覚えているのがあるかと聞いたので、紙に書き出してみたが、二十三、四しか出て来なかった。Г、Ю、И、Д などの文字があったっけ。(注 1)

 何と無造作に生命がふっとばされたことだ。こっぱみじんにされ、ぼろぼろになり、ふくれあがり、倒れ、叫び、よろめき、逃げまどい、探し歩き、泣き合っている…。(注 2)
引用時の注
  1. 半ば寝たきりだった祖父とこのようなやり取りをしたことは忘れてしまっていた。この注を書いている時点の私の年齢は、当時の祖父のそれに近い。
  2. 長田新・編『原爆の子:広島の少年少女のうったえ』(岩波、1951)を読んでの感想である。さる 9 月 5 日、アマゾンに古書として出ているこの本の紹介ページに、上記の感想を引用した短い書評を投稿しておいた。

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