2013年9月25日水曜日

穴があいたままだ


高校(1 年生)時代の交換日記から

Sam: 1951 年 12 月 24 日(月)曇り

 夢の中で半鐘と消防自動車の音を聞いたが、起きてみる気にはならなかった。「鍋下町」の火事ではなかったらしい。「夜食わじ」でもなかったから、やっぱり本当の火事だろう。何?! 本多町! 平野化学!

  八時四十分〜九時四十分 大掃除
  十時〜 終業式
  終業式後 各ホームにて
 一時間も大掃除をさせるとは、どんなことまで要求しているのだろうか。いつもの三倍の人数で掃除をしたから、いくらか念を入れたつもりだったが、いつもと同じくらいしかかからなかった。一五六枚のガラスを全部磨き上げても、まだ二五分余っていた。


(注 1)

 校長の訓話のあと、指導課からの話。「開校以来…申し合わせ事項として…出来るだけ寛大な…警察の厄介になったことが比較的少なかった(笑声)。」ここで先生は怒った。「何がおかしい」、「私ははなはだ不愉快に思う」、「遺憾である」。顔を大きく前後に振って、硬直させ、すさまじい様相を呈した。次いで、教務課から。「一つ、来年一月一日には、十時までに学校へ来て貰います。二つ、来学期は、八日火曜日から始まります。火曜日から授業がありますから、教科用具を忘れないで。三つ、来年十四日に、来学年度の単位登録をして貰いますから、よろしく。」

 X’mas Eve!
 ♪きよしこの夜
  星は光り
  救いのミサは
(このあとは何というんだい。教えてくれ給え。)
*
 セント・ニコラス、フェドロ少年、スクルージュ、チムちゃん、それから…。
 困ったな、靴下は穴があいたままだ。それに、吊るすところがないぞ。そうそう! 物干竿に吊るしておけ。
Ted による欄外注記
 * きよしこの夜 星は光り 救いの御子は み母の胸に 眠り給う 夢やすく[引用時の追記:この歌詞は一般の「きよしこの夜」で、プロテスタントの「きよしこの夜」は、「救いの御子は」のあと、「馬槽(まぶね)の中に 眠り給う いと安く」と続く。なお、カトリックでは、「静けき真夜中」の題で、「静けき真夜中 貧しうまや 神のひとり子は み母の胸に 眠りたもう やすらかに」という歌詞だそうである。]
引用時の注
  1. 速記文字で、校長の訓話の最初の部分を書いたものか。

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